別れの合奏「風と共に」 札南高・松本教諭 定年迎え作曲、23日披露

札幌南高吹奏楽部の顧問を17年間務め、3月末で定年退職する松本良一教諭(60)が、生徒たちへの激励と感謝を込め、南風をイメージした吹奏楽曲「Gone with the South Wind」を作曲した。同部が23日、札幌市内で開く定期演奏会で披露する。松本教諭は「最高の思い出になる。こんなに幸せなことはない」と話している。

 松本教諭は同校出身で東京芸大声楽科卒。ウィーン国立音楽大学に二年間留学して作曲などを学んだ後、大学講師や紋別北高を経て、一九九一年に札幌南高へ赴任した。

 約三十年ぶりとなる作曲は昨年七月、「最後に感謝の気持ちを伝えたい」と思い立った。暖かい風が流れる様子を表現した「南風のテーマ」が、軽快なワルツやマーチを挟んで繰り返される「ロンド」形式で、部員みんなに聞かせどころがあるように工夫。部員の演奏を聴き、三度書き直し、三月上旬に七分の曲に仕上げた。

 曲名は「映画『風と共に去りぬ』のヒロインのように強くたくましく生きてほしい」との思いを込め、映画のタイトルに校名の「South」(南)を加えた。

 三十一人の部員は二月から毎日練習に励んできた。本館利佳部長(二年)は「あったかいすてきな曲。自分たちのために作られた曲を世界で初演できるなんて」と張り切っている。本番は道内外から駆けつける卒業生を含め総勢約六十人の演奏になる予定で、松本教諭が指揮棒を振る。

 演奏会は二十三日午後五時から、札幌市教育文化会館中央区北一西一三)で開かれる。入場料は五百円(幼児無料)。