取引先元社長に有罪 ホーマック株不正 札幌地裁「市場信頼損ねた」

ホームセンター大手のホーマック(札幌)株をめぐるインサイダー取引事件で、証券取引法違反の罪に問われた同社取引先の元デザイン会社社長内田武之被告(53)=東京都杉並区=の判決公判が十六日、札幌地裁であった。嶋原文雄裁判長は懲役一年六カ月、執行猶予三年、罰金七十万円、追徴金三千五百九十万円(求刑・懲役一年六カ月、罰金百万円、追徴金三千五百九十万円)を言い渡した。

 判決理由で嶋原裁判長は「証券市場の信頼を損ねた責任は重いが、(インサイダー取引につながった)機密情報は偶然入手したにすぎず、利欲性が高いとはいえない」と述べた。

 判決によると、内田被告は二○○五年五月、当時のホーマック社長から、同社の経営統合についての情報を聞き、同社株など計二万一千株を買い付けた。同年七月の経営統合発表後に全株を計三千五百九十万円で売り抜け、三百五十万円の利益を得た。