国の陸自縮小方針 体制維持求め期成会 千歳市など来月設立

 【千歳】道内の陸上自衛隊で師団の旅団化や隊員の削減などが進んでいることを受け、千歳市などは十一月七日、「千歳市における自衛隊の体制維持を求める期成会(仮称)」を設立する。発起人の市や市議会、千歳商工会議所など七団体は、町内会や商店街など約九十団体に参加を呼びかけている。

 二○○四年に閣議決定された「防衛計画の大綱」は陸自の隊員定数を十六万人から十五万五千人に削減し、戦車を九百台から六百台に減らすなどの方針を掲げている。道内でも○四年三月に、第五師団(帯広)が旅団化。○八年三月には第一一師団(札幌)も旅団となり、隊員が七千二百人から三千六百人に減る。

 期成会は今後、千歳市内の部隊も削減される可能性があるとして、市などが設立を決めた。

 市危機管理課の試算では、市内の部隊で隊員五百人が削減されれば、年間で市民税が約六千万円、消費支出が約二十二億五千万円減ることが予想されるという。同課は「もし隊員が削減されれば、経済や災害時の対応などに大きな影響がある」と危惧(きぐ)する。

 設立総会は七日午後六時半から、千歳市民文化センターで開催。呼びかけ先などへの説明会は今月二十九日午後一時半から、千歳商工会議所で開かれる。

 市議会は十九日の各派交渉会で、発起人として期成会に参加することを決めた。議員一人の共産党は会派として認められておらず、同党の佐藤仁市議は「党として基地の縮小を求めており、自衛隊の体制維持には賛成できない」とコメントしている。

(北海道新聞より引用)