韓国大統領選・許候補のすごい公約とは?

<連載・水野俊平の韓流おもしろ雑学>

 韓国の大統領選挙が来週の水曜日に迫ってまいりました。日本じゃ野党系の李明博(イ・ミョンバク)候補の優勢が伝えられるなか、鄭東泳(チョン・ドンヨン)、李会昌(イ・フェチャン)両候補の追い上げなんかも報じられていますね。

 でも変だと思いませんか? 当初、日本のマスコミだって「韓国の大統領候補は12人」と報じていました。有力候補3人は分かるとして、残りの9人はどうなっちゃったんでしょう…。実はちゃんと大統領選挙を戦っているのです。1人は候補を辞退しましたが、残りの8人は頑張っています。でもハナっから当選の確率ほぼゼロなのでマスコミにも全然相手にされていないというのが本当のところ。政見放送にしたって、韓国の大統領選挙では有力候補にだけ集めてたっぷり時間を与えるのに、泡沫(ほうまつ)候補にはぜんぜんお呼びがかからないのです。

 でもそんな厳しい選挙戦の中にあって毎回すごい公約を掲げて奮戦し、毎回落選している候補がいます。今回の選挙にも立候補した許京寧(ホ・ギョンヨン)候補(57)です。自称、経済共和党総裁。朴大統領の時代に秘密政策補佐官だったとか称していますが、これはどうもうそらしい。この人の公約が毎回すごい。今回の選挙公約は「新婚夫婦に1億ウォン、出産すれば3000万ウォンを与える」「家具、電気・電話・水道料金を5万ウォンまで無料にする」「携帯電話の購入費を5万ウォンまで補助する」「国会議員を無料奉仕とし、自治体選挙を廃止する」…。

 このくらいはおとなしいほうです。「現金を廃止して商取引をすべてクレジットカードにする(現金を使うと逮捕する)」果ては「モンゴルを含む中国の省を民主化し韓国に吸収合併する」「国連本部を朝鮮半島の非武装地帯に移す」「干拓事業で国民所得を5万ドルにする」…。日本で許候補の公約が読めるのはたぶん日刊スポーツのこのコーナーくらいですよ、皆さん。

 ちなみにIQは430で、夢は故・朴大統領の長女で国会議員の朴槿恵さん(55)と結婚することだとか。12月12日夜に実施された世論調査の結果、大統領候補の支持率は1位の李明博候補が44・7%、注目の許候補が0・2%でした…。

 ◆水野俊平(みずの・しゅんぺい) 1968年(昭和43)1月5日、室蘭出身。北海商科大教授。登別南高(現登別青嶺高)−天理大朝鮮語学科。90年に渡韓し、全南大大学院国語国文学科博士課程修了後、同大の日本語講師に。05年帰国、現在は札幌在住。CS放送フジテレビ「韓タメ!DX」に出演中。